相続登記とダイレクトメールの気になる関係

こんにちは。司法書士の粒来です。

久しぶりのコラムの更新です。

 

今回のコラムでは、昨年義務化され、現在国を挙げて推進されている相続登記について、気になるお話がありましたのでご案内させていただきます。

 

ある日突然、不動産会社から謎のDMが・・・?

相続登記のお手伝いをしたお客様から、「相続登記をした途端、見ず知らずの不動産会社から相続不動産の売却を勧誘するダイレクトメールが届くようになった。」というご相談がたまにあります。
みな一様に、なぜ自分が相続登記をしたことを知られたのかと気味悪がっていましたが、 その原因は、法務局備え付けの「不動産登記受付帳」という帳簿にあります。

 

「不動産登記受付帳」とは

この「不動産登記受付帳」という帳簿、簡単にいうと「どこの不動産でいつ、どのような登記が申請されたか」が網羅的に記録されたもので、なんと誰でも見ることができます。
受付帳自体には個人を特定できる情報は記載されていませんが、まずこの帳簿で最近相続登記がされた不動産を確認し、その不動産の登記事項証明書(これも誰でも取得することができます)を確認すれば、相続で新たに不動産を取得した方の住所・氏名まで芋づる式に分かってしまいます。
この仕組みが不動産会社などに利用されているようです。

 

司法書士と「秘密保持義務」

司法書士には仕事で得た情報を外部に漏らしたり不当に利用したりしてはならない「秘密保持義務」がありますので、依頼者の住所・氏名や相続登記をした事実が、司法書士経由で外部に漏れることはまずあり得ません!
ただ、依頼者目線でみると、相続登記の事実を知っているのは自分と司法書士だけのはずで、司法書士から情報が漏れたんじゃないかと思われてもまったく不思議ではありません。

 

実際にこのような事例がある以上、司法書士としては依頼者に誤解が生じないよう、相続登記の相談段階で「不動産会社からDMが来るかも」と予防線を張っておくことになります。
ただ、そのような説明が相続登記の推進に水を差してしまうものであることは明らかです。

 

おわりに

不動産登記受付帳が公開されている理由は正直よく分かりません。

ただ、相続登記を法律上の義務にした以上、きちんと相続登記をしておこうという真面目な方が馬鹿を見るような世の中にならないよう、情報公開のあり方はよく考えてほしいものですね。

 

当事務所では、相続登記をはじめ、遺産承継相続放棄や生前の相続対策(遺言)など、相続手続き全般についてご相談を承っています。

 

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